スムーズなコミュニケーションのために
子どもとのコミュニケーションうまくとれていますか?
子どもが大人へと成長する過程「思春期」は親子ともにストレスが溜まりやすい時期
誰もが通る道「思春期」。一般的には、小学校高学年から高校生ぐらいまでの時期を指すそうです。
親の言うことを聞かなくなり、反抗的な態度をとったり、些細なことでイライラしたり、精神的に不安定になる子ども達。そんなお子さんとのコミュニケーション、みなさんはうまく取れていますか。
緊急事態宣言発令後、休校となった子ども達。そして在宅勤務となった親たち。さらに外出自粛で親子で過ごす時間が増えたことは、一概にいいことばかりではなかったはず。間もなく学校もスタートする今、お子さまとの時間の過ごし方を改めて見直してみませんか。
思春期のお子さんとの時間を大切に過ごすためのコツ、よりスムーズなコミュニケーションのコツを、中学校や高校のスクールカウンセラーも務める李舜哲先生に伺いました。
子どもと過ごす時間について考えてみましょう
1.子どもと居る時間
思春期には自分の事をなかなか話したがらないもの。そんな時には無理な会話に頼らず、ただ隣に座ったり、同じテーブルでお茶飲んだり、楽に過ごすのもOKです。横にいるだけで、互いの存在(息遣い、体温、空気感、身近さ)を感じられます。
2.子どもを見る時間
家での行動、習慣、クセなど「自分の基準」で判断していませんか。そして「自分基準」からずれているとすぐにやめさせようとしたり正そうとしたりしていませんか。先ずは観察してみましょう。子どものクセや、表情の特徴、子どもなりの考え方など、新しい発見があると結構楽しいものです。
3.子どもの話を聴く時間
「子どもと話す」と言っておいて、一方的な伝達、親側の主張だけということも思いのほか多いはず。また「言ってごらん、聞いてあげるから」と言いながら途中で遮り「でもね、やっぱりね、あなたね、…」と説教に代わることも。グッとこらえて、最後まで・話しきるまで、心を傾けて、子どもの言いたいこと、聴いてみましょう。
4.子どもの求めに応じる時間
「○○して!」は子どもの常套句。一日に何度も言ってきます。実はこれこそ、最適な触れ合いのチャンス、子どもの心を満たしてあげられる絶好の機会です。それが一日に何度もあるのに、日常の大したことのないルーチンのために「ちょっと待って」「あとで」「今、忙しい」と突き放してはいませんか?後でやってあげられるのなら、今すぐ、ちょっとだけならできるはず。子どもの求めには、出来るだけ、即、応じるよう心がけましょう。
5.子どもと一緒に考える時間
子どもと大人の違いの一つに「経験知」があります。確かに親は様々な問題に関して自分なりの解答を持っているでしょう。しかしそれが我が子にそのままハマるとは言い切れないところでもありますよね、先回りしたり、答を押し付けようとしたりせずに、一緒になって吟味してみましょう。その過程で、自分がどのように子どもを育てたいのか、気づきを得ることもありますから。
6.子どもと遊ぶ時間
大事。何よりも有意義な時間でしょう。コツは、「遊ぶと決めたら徹底的に遊ぶ。遊ぶことだけに没頭する」です。時間を決めて、他の用事は頭から追い出し、また「勉強に役立てよう」などの雑念も取っ払い、しっかり腰を据えて、純粋に遊んでください。
7.子どものことを相談する時間
子どものこと抱え込んではいませんか?配偶者やパートナー、ママ友や友人、「自分の両親」といった身近な人に相談できるのは望ましいですが、そうでない状況もあるでしょう。そういう場合は第三者や同じ立場の人と話すと安心できることが意外と多いです。例えば児童館の子育てサークル、子どもの友人のママ・パパでは共感する話も多いと聞きます。中々言いづらい悩みや葛藤であればNPOや行政の開設している親子相談室や、カウンセラーへの相談も有効な選択肢でしょう。
親の意識が変われば子どもの意識も変わる
「こんなことできるわけな~い!」と思う人がほとんどではないでしょうか。
「すべて実行」でなくても構いません。気になるところからひとつずつ試してみましょう。親の意識が変わることで、子どもの態度にも変化があるかもしれません。そんな変化も楽しみに、少しずつでも意識してやってみてはいかがでしょうか。
(監修:特定非営利活動法人李塾 代表 李舜哲さん 心理学修士/日本教育カウンセラー協会会員/キャリアコンサルティング技能士会員)
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